野菜宅配のらでぃっしゅ、自社生産拡大へ−北海道・九州に農法計画 (ブルームバーグ)


Bloomberg.co.jp(ブルームバーグ) 2010年4月23日
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920020&sid=agEvah7oNwMw
有機野菜などの戸別宅配ビジネスを手掛けるらでぃっしゅぼーやは、農産物の自社生産拡大を急ぐ。新たに北海道や九州で農業生産法人を設立する計画で、実現すれば千葉県香取市に続く2カ所目の自社農場となる。


同社の緒方大助社長は20日に開催されたアナリスト説明会後にブルームバーグの取材に応じ、新しい農業生産法人の設立計画に言及した上で、「工程管理を徹底した効率農業で日本の農業を変えたい。現状の農業生産8.5兆円の市場で一定のシェアを占めたい」と語った。


らでぃしゅは、2009年4月に農業事業に参入した。取引先の和郷(千葉県香取市)と共同で農業生産法人を創設、香取市内で3.5ヘクタールの農地を借り、ジャガイモなどの青果物を初年度で約61トン生産した。根菜類は利益を出しにくい品目だが、同社ではメーカー並みの生産管理システムを用いて作業時間やコストを徹底的に管理、「初年度から黒字が確保できた」と緒方社長は言う。


農家と共同で1年間の必須農作業を調査した結果、5200の工程があり、「従業員にストップウォッチを持たせて作業時間と作業効率を小まめにチェックさせ、畑ごとに月次決算を作成し、コスト意識を持たせた」と同社長。ジャガイモの場合、現状の自社生産分は同社取引量全体の数%程度に過ぎないが、今後は北海道、九州などでも生産を行い、千葉県内でも高付加価値の果菜類の自社生産規模を拡大していく。


らでぃしゅの今期(11年2月期)単独業績予想は、売上高が前期比5%増の234億円、営業利益が同7.5%増の5億4600万円。退会者を抑制しつつ、子育て世代の新会員の増加に注力、2期ぶりの増収増益を計画する。10年2月期末の会員数は10万1007人で、前の期から4.3%増えた。同社は、有機・低農薬農産物の生産者2600カ所と契約、年間7000アイテム以上の生鮮食料品を扱う。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 鷺池秀樹 Hideki Sagiike hsagiike@bloomberg.net
更新日時: 2010/04/23 17:17 JST