セブン&アイ、新型の小規模スーパー 都市部に100店 高齢者や共働き世帯の需要狙う(日本経済新聞)

日本経済新聞 2010年8月14日
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819594E3E0E2E0868DE3E1E2EAE0E2E3E29F9FEAE2E2E2;m=96948D999D9C819A9B9C8D8D8D8D


セブン&アイ・ホールディングスは大都市の消費者に顧客層を絞った新型スーパーを開発、今秋から集中出店する。一般の食品スーパーの半分以下の大きさで東京都区部などで展開し、3年で 100店・売上高2000億円と新たな収益の柱に育てる。生鮮品や総菜を中心に販売、高齢者世帯などの需要を取り込む。少子高齢化で縮む国内市場でも、人口が集中する都市部は消費拡大が見込まれる。他の流通大手も小型店展開を始めており、大都市中心部がスーパーの主戦場になる。


店舗面積は500〜700平方メートル。イトーヨーカ堂の総合スーパーの約5分の1で、コンビニ「セブンイレブン」の4倍程度。店名は当面「イトーヨーカドー」としてヨーカ堂が運営するが、将来は別ブランドで独立させることも検討する。


都市部で増える高齢者世帯や共働き世帯を主な顧客層に想定。青果や鮮魚、精肉と総菜を主力に品ぞろえする。グループの直営・契約農場の調達ルートを生かした鮮度の高い生鮮品と作りたての総菜を売り物にする。立地に応じて午後11時まで営業して利便性を高めるほか、高齢者向けに宅配サービスも検討する。


陳列棚や床材などの設備・資材はセブンイレブンと一部共通化、レジ作業や清掃など店内業務にもセブンイレブンのノウハウを組み込む。10月に東京都杉並区の駅前に1号店を開設、来春までにまず23区内に10店を開く。大阪などへの展開も視野に入れる。


セブン&アイはグループ事業の再構築中だ。総合スーパーは2013年2月期までに地方店を中心に全店舗の2割弱にあたる約30店を閉鎖、郊外型外食店や百貨店も店舗網を縮小させる。主力のコンビニは成長力が鈍化しており、新たな収益源を見いだす必要に迫られていた。


新型店は「消費の構造変化に対応する」(セブン&アイ)狙いだ。日本の総人口は05年から減少、世帯数も15年をピークにマイナスに転じる。65歳以上の高齢単身世帯も05年から30年で1.8倍に膨れる。


総人口が減少しても大都市への流入は続く。東京都は05年から約50万人増えて、15年には1308万人に達すると予測。小売業の売上高は東京、大阪、神奈川など上位5都府県で全国の約4割を占めるまで高まっているが、今後はさらに拡大しそう。加工食品や弁当が主力のコンビニでは拾いきれない都市消費者の家庭での食事需要を、機動的に出店できる小型スーパーで取り込む。


都市部の小型スーパー事業はライバルのイオンも本格化。マルエツなど有力食品スーパーも100〜500平方メートル程度の店舗の展開に乗り出している。セブン&アイは先行他社よりやや広めの売り場で品ぞろえを充実させ、限られた有望市場での顧客争奪に参入する。


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セブン&アイ・ホールディングスセブンイレブンイトーヨーカドー、スーパー、宅配サービス、コンビニ、売上高


関連:
生鮮コンビニ、都会の味方 スーパーより1〜2割高でも… 遠出つらい高齢者ら利用(日本経済新聞)2010年8月11日
http://d.hatena.ne.jp/mikamurata/20100811/1281736766

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小型の「イトーヨーカドー」 今秋から展開 (MSN産経ニュース)2010.8.14
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100814/biz1008140848000-n1.htm
セブン&アイ・ホールディングスが大都市の中心部を中心に、500〜1000平方メートル程度の店舗面積となる小型のイトーヨーカドーを今秋から展開することが分かった。10月に東京で実験店となる1号店を開店する。


新型店の面積は、現在の平均的なイトーヨーカドーの5分の1程度となる。東京のほか、名阪など大都市圏の中心部で、居抜きの物件やビル内への出店なども検討している。イトーヨーカ堂が得意とする生鮮食品を主力に一部生活用品を加えた品ぞろえで、1店舗当たりで年間売上高15億〜20億円を目指す。3年程度で100店、売上高2000億円も視野に入れる。生鮮食品の取り扱いを訴求するため、当面は店舗ブランドも「イトーヨーカドー」として運営する。


「都心への人口回帰がある」ことで、高齢者世帯や単身者世帯などが増えていることに着目し、顧客層に想定。都市部ではこうした顧客向けの少量パック商品が好評に受け入れられるなどしており、生鮮食品を主力とした品ぞろえで、消費構造の変化に対応し、こうした顧客層の取り込みを図りたい意向だ。


大手総合スーパーでは、イオンが東京都と神奈川県で小型食品スーパー「まいばすけっと」を約150店舗運営するなど、既存のスーパーから小型化させたスーパーの出店を加速させる動きが顕著になっている。

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セブン&アイ・ホールディングス - Yahoo!ニュース
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/seven_and_i_holdings/?1281752326
業績の概況|IR情報|セブン&アイ・ホールディングス
http://www.7andi.com/ir/fi/summary.html
イトーヨーカドー
http://www.itoyokado.co.jp/


もうかるスーパー運営手探り――小型スーパー、まいばすけっと、イオン。(リテールテックJAPAN)2009年8月28日
http://www.shopbiz.jp/rt/news/41066.html
イオンやマルエツが本格参入 都心小型食品スーパーの成否(週刊ダイヤモンド)2009年5月18日
http://column.onbiz.yahoo.co.jp/ny?c=bp_l&a=007-1241746000
紀ノ国屋、成城石井大丸ピーコック…高級スーパーの新「小型店」が都心で増殖する理由(日経トレンディネット) 2008年7月15日
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080714/1016701/