貸農園が人気 週末に汗(読売新聞)


読売新聞 2010年8月10日
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20100810-OYT8T00214.htm?from=yoltop
●業者が参入 指導や管理も

休日などに貸農園で野菜づくりを楽しむ人が増えている。


食の安全への関心の高まりや、時間にゆとりのあるシニア世代の増加に加え、民間の参入が人気を後押し。栽培や収穫などを指導してくれるスタッフを置く農園もあり、農作業初心者の心をとらえているようだ。


貸農園のうち、主に自治体が農地を借り上げて開設する市民農園は、2008年度末で全国に3382か所、1164ヘクタールあり、15年間で約3倍に増えている。


ところが、抽選倍率は軒並み高く、利用年数を限っているところが多いことから、最近は「民間が農園の積極利用にかかわる動きも進んでいる」と農林水産省の担当課は話す。



「マイファーム」(京都市)も、そうした民間会社の一つ。この3年間で、貸農園を東京や愛知、滋賀など13都府県、約50か所に増やした。兵庫県西宮市の六甲山系近くに昨年3月開設した農園は広さ約1800平方メートルで、120区画が並ぶ。土、日曜には、早朝から親子連れなどが訪れ、野菜の収穫や水やりに忙しい。


「夏にとったナスを、秋にも収穫するにはどうしたらいいの」。昨秋から農作業を始めた同県尼崎市の会社員中埜(なかの)日出美(ひでみ)さん(52)、麻喜子さん(44)夫婦の問いかけに、管理スタッフの土方(ひじかた)彩加さん(29)が「太い枝は半分から3分の1の長さに剪定(せんてい)して下さい」と応えた。


クワやカマなど必要な農機具は、併設された倉庫から借りられる。1区画(15平方メートル)の年間利用料は約6万円。ピーマンやトマトなど10種類以上が育ち、中埜さんは「形は不ぞろいでも、自分で作った野菜の味は格別」と喜ぶ。


平日農園へ行けない人のために、作物の生育状況をインターネットを通じて画像で知らせるところもある。静岡県浜松市では、IT(情報技術)コンサルタント会社「シーエムエー」が昨春から、2日に1度、管理する農園(46区画)を担当社員が巡回。作物の生育具合を撮影して送信し、収穫時期も教えている。


ホームページで利用者同士が情報交換できるサイトも開設。「たくさんとれた野菜をお分けします」などと、メンバー間のやりとりも活発だ。


田舎暮らしを兼ねて農業体験をしたいという人に注目されているのが、簡易な宿泊施設を備えた滞在型の農園だ。


今年4月、長野県南部の中川村にオープンした「天のなかがわ」は、年間利用料金40万〜68万円と安くはないが、スタッフが頻繁に農地を見回って栽培相談に応じるサービスが評判となり、県外からも申し込みがあった。


滞在型市民農園の専用サイトを今月新設し、情報提供を始めた財団法人「都市農山漁村交流活性化機構」(東京)の畠山徹さん(49)は、「民間参入が進むことでサポートが充実し、重労働のイメージが強かった農業に挑戦しやすくなった。自分で育てた農作物を収穫する喜びも味わえ、今後農作業を楽しむ人は増えるだろう」と指摘している。(田中洋史)


●増える休耕地 有効活用
農水省補助金で後押し


貸農園が広がっている背景には、農家の高齢化や担い手不足などで休耕地が増えているという事情がある。


農林水産省は、休耕地のうち「過去1年以上、作物を栽培せず、今後も数年間、耕作予定のない土地」を耕作放棄地として集計。それによると、2005年の耕作放棄地は38万6000ヘクタールと、10年前の1・6倍に拡大。一方、農業就業人口は09年で約290万人と、5年間で約70万人も減った。


農水省は昨年度、こうした土地を作付け可能な状態に戻すため、195億円の基金を設け、市民農園などに整備した場合は費用の半額を補助することにした。今年3月には食料・農業・農村基本計画を見直し、20年を目標に放棄地を12万ヘクタール分減らすとした。


こうした国の施策に合わせ、農協などが、休耕地活用の取り組みとして貸農園や農業体験施設に注目するようになった。


例えば、JA福岡市(福岡市)は2年前、出資法人「JAファーム福岡」を設立し、各農家から休耕地計4・8ヘクタールを預かり、大型重機を持ち込んだり新たに土壌を加えたりして整備。市民農園や農業を学びたい人向けの研修地として活用している。


都市と農村の交流事業を手がける全国農協観光協会(東京)も今春、神奈川県大井町の休耕地(約1000平方メートル)に農業体験のモデル地区を設け、首都圏を中心に利用を呼びかけた。現在、主婦ら約30人が野菜の栽培を楽しんでいるという。同協会は「一般の人に農業に関心を持ってもらい、今後モデル地区を増やしていきたい」としている。


また、社団法人「ふくい・くらしの研究所」(福井市)も、イノシシ被害などから耕作できなくなっていた福井県鯖江市の農地約2250平方メートルを引き受け、農業体験から食育まで行う「教育ファーム」として一般開放している。同法人事務局長の帰山(かえりやま)順子さん(62)は「先祖の農地を他人に貸すのを嫌がる農家もいるので、イベントに地元農家を招くなど、事業への理解を深めてもらっている」と話す。


市民農園を開設している団体と利用者らで組織する日本市民農園連合会長の廻谷(めぐりや)義治さん(72)は「自分で作れば食への安心感は高まると考える人も多いだけに、休耕地の有効利用を図りたい農家との橋渡し役を育てていくことが重要だ」と話している。

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株式会社マイファーム 
http://www.myfarm.co.jp/
>株式会社マイファームは休耕地(農地)を貸し農園(市民農園)付き手づくり野菜教室へ
>リニューアルする社会貢献型ビジネスを提案しています。


静岡市浜松市のホームページ制作会社 : シーエムエー
http://www.akindo2000.net/
静岡県[静岡市浜松市]の営業支援会社。Webサイト(ホームページ)制作、
>インターネット広告、ECサイト、セキュリティ対策のコンサルティング


クラインガルテン「天のなかがわ」
http://www.amanonakagawa.co.jp/


まちむら交流きこう(財団法人「都市農山漁村交流活性化機構」)
http://www.kouryu.or.jp/
滞在型市民農園ポータルサイト
http://www.kouryu.or.jp/kleingarten/


株式会社JAファーム福岡
http://www.ja-fukuoka.or.jp/shop_atm/ja_farm.html
JAファームの野菜収穫体験
http://www.ja-fukuoka.or.jp/event_taiken/agri_jafarm.html


全国農協観光協会
http://www.znk.or.jp/
>農業体験、ワーキングホリデー、農業ボランティア、特産品、
グリーンツーリズムを提案します


ふくい・くらしの研究所
http://www.fukui.coop/Default.aspx?alias=www.fukui.coop/kuraken


日本クラインガルテン研究会 (別名:日本市民農園連合)
http://homepage3.nifty.com/jkg-ken/

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関連:
農業に新風 20代のベンチャー、販路開拓・畑で婚活…(朝日新聞
http://d.hatena.ne.jp/mikamurata/20100819/1282198310

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