野菜価格2〜4割高 大雨・猛暑で打撃、増える中国産(朝日新聞)


朝日新聞 2010年8月6日
http://www.asahi.com/national/update/0806/TKY201008060087.html
連日の猛暑で、野菜の値段が上がっている。7月中旬の梅雨末期の大雨で葉物を中心に影響を受けたが、一転した晴天や高温も程度を超えると病害を招きやすくするからだ。荒れる天候の打撃を受ける国産に代わるように、中国産野菜の輸入が増えている。


レタス1玉198円、ホウレンソウ1束198円……。東京都内のスーパー「シマダヤ」の店頭には高値の野菜が並ぶ。青果担当の山口実則さんは「原価ぎりぎりだが、それでも先々週から50〜60円上がった。葉物は玉を半分にし、ネギは本数を減らして単価を下げている」と話す。


農林水産省が全国の470店舗の店頭価格を緊急に調査した結果、7月末の時点で、主要野菜7品目のうちキュウリを除く6品目が平年より2〜4割高だった。特に高かったのは、バレイショが平年比137%、レタスが同131%、ネギが同127%などだ。


ネギの本場、茨城県坂東市。JA岩井によると、梅雨の末期は大雨で畑に水がたまり、機械が入れないため収穫が難しかった。日照りが続くと、土中の水分が減り、ネギの根が弱って害虫が出た。担当者は「今年は一気に暑くなりすぎだ。収穫のピークなのに夕方からしか作業ができない」と嘆く。


葉物の影響が特に深刻だ。またニンジンなどの根菜類も高い。卸値をみると、東京都中央卸売市場では、野菜の主要14品目の平均で4日現在、平年より5%高い。


中国産野菜の輸入はここ数年、毒ギョーザ事件や残留農薬問題の影響で減少傾向にあった。しかし農水省がまとめた検査実績によると、今年2月以降、常に前年同月を上回り続けている。ニンジンやキャベツが特に増え、全体でみると6月は25%増だった。農水省は「品薄の国産に比べ安価であり、外食産業などで利用が戻ってきたのでは」とみている。(大谷聡)