やずや・キューサイが農産物直販 イチゴなど(日本経済新聞)


日本経済新聞 2010/7/22
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819891E0E6E2E3E78DE0E3E2E5E0E2E3E29E8A93E2E2E2;p=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E5E2;o=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2
九州の健康食品大手が農産物の直販事業に相次ぎ参入する。やずや(福岡市)は年内にも福岡県内で自社農場を取得。キューサイ(同)は今年度から、主力商品「青汁」の原料を栽培する農場で、野菜を本格的に生産する。両社とも当面、通信販売で年間2億〜3億円の売上高を目指す。全国的な知名度を生かし、「食の安心・安全」志向を強める消費者に売り込む。

 
やずやは福岡県糸島市で農家から1ヘクタールの農地を借り上げ、子会社を通じて福岡県産イチゴ「あまおう」やメロン、枝豆など20品目以上の農産物の試験栽培を始めた。近く自社農場も取得する計画。同県内で現在、用地選定を進めている。


野菜や果物はすべて無農薬で栽培する方針。今後は地元農家と生産委託契約を結ぶほか、農業担当スタッフも採用し、生産体制を整える。農場には農業体験施設を併設することも検討しており、「商品とサービスの両方を消費者に提供し、農業分野でも早期にブランドを確立する」(同社)考えだ。


キューサイは2010年度から、北海道と島根県の計約118ヘクタールの自社農場でトウモロコシやニンニクなどの農産物を本格生産する。同社は09年度に一部顧客に野菜の詰め合わせセットを3000円台で販売したところ、売れ行きが好調だった。このため、今年度は栽培品目を昨年度の7品目から9品目に増やす。11年度以降は順次、十数品目まで増やす方針だ。


農場では従来、青汁原料のケールを栽培していた。青汁の需給調整時期にはケールを栽培しないスペースもあるため、農産物の本格生産により農場の有効利用につなげる。ケールで培った栽培ノウハウを活用し、農産物を無農薬で生産する。


規制緩和や消費者の国産農産物への関心の高まりを背景に、企業の農業参入は加速しているが、販路開拓や栽培技術などの面での課題も多い。特に、直販事業は自前の販路を持つ小売り大手など一部企業に限られている。


両社は全国に顧客と通販網を持ち、新たな販路を開拓する手間やコストが省ける。主力商品が健康食品のため、「食の安心・安全」も消費者に訴求しやすい。両社は今後、農産物の直販事業を新たな収益の柱に育成する方針だ。


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