たらみ、「無農薬・無肥料」の野菜・果物 ゼリーに次ぐ柱に(日本経済新聞)


日本経済新聞 2010/7/9
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819891E2E7E2E28A8DE2EAE2E5E0E2E3E29E8A93E2E2E2;p=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E5E2;o=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2
フルーツゼリー製造のたらみ(長崎市、清水周英社長)は青果物の生産販売に参入する。自社農園や全国の契約農家で無農薬・無肥料の野菜と果物を栽培。今夏から食材宅配会社やスーパーなどに販売する。健康や食の安心・安全への消費者の意識の高まりを追い風に、主力のゼリーに次ぐ柱に育成。3年以内に売上高5億円を目指す。


第1弾として、食材宅配大手のオイシックス(東京・品川)に果物や野菜を供給する。8月までに北海道の契約農家が栽培したサクランボを納入する予定。すでに東京都内を中心に通販会社や高級スーパー、青果物店とも契約交渉中で、今後は順次販売先を拡大する。


たらみが長崎県内で運営する自社農園のほか、北海道から沖縄まで全国約10の契約農家・グループが栽培を担当。ミカンやパイナップル、トマト、メロンなど毎月2種類程度の旬の果物や野菜を納入する。果物の種類にもよるが、取扱可能量はミカンで170トン、サクランボが15トン、リンゴが50 トン前後になる。


販売する青果物は、肥料や農薬を使わない新しい手法「たらみ農法」で栽培したもの。植物本来の成長力を生かす一方、整枝や剪定(せんてい)で独自技術を使い、果実の糖度やうまみを引き上げる。


果物の種類や品種によって整枝や剪定のやり方も変わるため、たらみの農業技術者が全国の契約農家を回り、ノウハウを提供する。新農法は農薬の散布や肥料を与える必要がないため、農家の作業負担の軽減にもつながるという。


たらみは品質管理の強化で、フルーツゼリーの具材で使う果物の一部を自社や契約農家で栽培している。今後は、ゼリーの具材に加え、青果の生産販売も展開することで、農園の効率活用が見込める。耕作放棄地の拡大や高齢化・後継者不足に直面する全国の農家を支援する狙いもある。


健康志向の高まりで無農薬野菜や有機栽培の果物などが人気を集めている。たらみは、農薬と肥料を一切使わない農法を売りに高級食材としてのブランド化を目指す考えだ。