日清紡HDが農業参入、5月に野菜工場の試験設備(日本経済新聞)


日本経済新聞 2010/4/20
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E3EBE293818DE3EBE2E6E0E2E3E28698E3E2E2E2


日清紡ホールディングスは農業に参入する。国内で事業縮小を進めている繊維関連工場の敷地内に野菜工場の建設を検討する。近く2カ所に試験設備を導入し、事業化を探る。培地となる繊維素材の開発や、栽培した野菜の食品材料としての販売などを見込む。


5月中にも藤枝事業所(静岡県藤枝市)と徳島事業所(徳島市)にそれぞれ広さ100平方メートルの野菜工場の試験設備を設置する。投資額は合わせて7000万〜8000万円。


試験設備では、綿に鉱物を混ぜて吸水性や殺菌効果を高めた繊維素材の培地を採用し、水耕栽培用素材としての実用化を目指す。藤枝には野菜をペースト状の食品材料に加工する設備も導入する。いずれも地元自治体などと協力し、販路開拓を進める。


藤枝は繊維関連の技術開発拠点。徳島は製紙や化学品の工場で、今年初めまではデニム生地の織布拠点だった。


日清紡HDは国内での綿紡績などの量産から撤退することを決め、インドネシアへの生産移管を進めている。試験設備での成果をもとに今秋までに事業化の可否を決定。将来的に国内の繊維関連工場の空きスペースなどに野菜工場の建設を目指す。