“はなっこりー”って、何者だ? (エキサイトニュース)

エキサイトニュース 2010年1月28日
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1264425828564.html

近頃、スーパーなどの野菜コーナーでオリジナルの野菜をたびたび見かけるようになった。


“オリジナル野菜”とは、地域やお店、農家さんが新しく品種改良した野菜のこと。それらは普通の野菜と大きさと異なっていたり色が違っていたり、形が違っていたり……。定番野菜に混じり、オリジナル野菜は密かにその地位を獲得しつつある。


そんな中、ちょっと面白いオリジナル野菜を発見した。


それは名前もかわいい、“はなっこりー”。中国野菜サイシンを母に、そしてブロッコリーを父親にして山口県で生み出されたオリジナル野菜なのだという。


はなっこりーの葉はブロッコリーのように大きいが、刈り取ればスルッとスリムな体型。色は濃い目の緑色で、遠目に見れば菜の花かアスパラのような姿が特徴的。


中国野菜と聞くと味が濃く香りも強いイメージだ。しかし問い合わせてみると、「ブロッコリーとかけ合わされたためか食感は柔らかく、味は甘めです。アスパラガスにも似た味わいですね」とのこと。


なによりも特徴はクセのない味わい。野菜嫌いの子どもでも食べられるほどのクセのなさで、山口の学校給食にも取り入れられているそうだ。


さらにブロッコリーと同じく花から茎まで全て食べられる上、ビタミンCもたっぷり。そして和風から洋風、中華までほとんどの料理に利用可能。かき揚げ、鍋、炒めもの……と、幅広い使い方ができるのも心強い。


今では山口県期待の野菜として、オリジナルキャラクター“はなっこりん”が登場したり、テーマソングまで作られているはなっこりーだが、その着手は平成元年。完成するまでおよそ95通りの組み合わせや数万の個体を生みだすなど試行錯誤を繰り返し、着手からおよそ10年近く経った平成11年にようやく品種登録にこぎつけた。


サイシンはハクサイの仲間。ブロッコリーはキャベツの仲間。同じ野菜同士とはいえ、国際結婚のようなもので、生み出すまで大変な苦労をしたのだとか。なので“はなっこりー”と言う名前には、「かわいらしく、おいしく、親しみやすい野菜に育ってほしい」という願いも込められているそう。


そんなはなっこりー。美味しいだけでなく収穫時期が長くお年寄りや女性でも簡単に栽培できること、そして収穫量が多い点も特徴のひとつ。消費者だけでなく生産者をも考えられて作られた野菜なのだ。オリジナル野菜は、生まれた土地の活性化の一端を担っている。


はなっこりーの出荷は9月からスタート。春5月まで収穫&販売されるが寒さが増せば美味しさもアップする。販売場所は山口県内だけでなく首都圏や大阪、広島など幅広い。もし見かけたらおひとついかがでしょう。
(のなかなおみ)