野菜価格:猛暑や投機で5割値上がり、首相が対策指示―中国(Searchina)

サーチナ(Searchina)  2010/08/19
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0819&f=business_0819_163.shtml
中国の温家宝首相は18日、野菜価格が猛烈な高騰をみせていることを受け、価格安定策をとるよう国務院常務会議で求めた。農村での出荷価格が低迷する現象が同時に発生していることも、問題視した。中国新聞社が報じた。


中国政府・商務部の17日の発表によると、観測対象になっている野菜18種の平均卸売価格は7月、前年同月比で49.7%上昇した。8月になっても、価格上昇は止まらない。国家発展改革委員会(発改委)によると、主要野菜24種の8月11日の卸売価格は、1週間前の4日に比べ、平均で5.82%上昇。うち、キュウリは12.24%、インゲン豆は7.05%値上がりした。


夏になり野菜価格が上昇した直接の原因は、地方により猛暑または大雨と、中国が極端な気候に見舞われたとされている。猛暑は収穫に、大雨は輸送にも悪影響をもたらし、都市部で入荷量が減少した。


野菜が「投機の対象」になったことも、価格上昇の大きな原因になった。2010年5月ごろまでは、ニンニクが注目されたが、それ以降はショウガに対する投機の影響が表面化した。7月14日から8月15日まで33日間連続して価格が上昇、1カ月間で18%以上の値上がりだ。


流通業者があえて買い控えをして、商品にならなくなる直前に、農民から野菜を買い叩く現象も増えているという。野菜の小売価格に占める流通コストは、3分の1から3分の2程度とされていたが、現在では90%程度に達する例がある。中国の都市では、政府が野菜の買いつけを行うことで価格を調整する「野菜バスケット」と呼ばれる制度があるが、役割を果たしていない場合がある。


「野菜バスケット」は、市長の責任で実施すると定められている。国務院常務会議は同制度の市長責任制を確実に実施することと、野菜の生産基地建設の強化、流通条件の改善などを決めた。(編集担当:如月隼人)