猛暑で野菜の値段が上がるのはなぜ?(毎日新聞)

毎日新聞 2010年8月18日
http://mainichi.jp/select/wadai/naruhodori/news/20100818ddm003070073000c.html
◆猛暑で野菜の値段が上がるのはなぜ?
◇レタス、暑さに弱い きゅうりは平年より安く


Q 猛暑で野菜が値上がりしているらしいね。
A そうですね。農林水産省が17日発表した全国470店の野菜の小売価格調査(9〜13日、全国平均)によるとねぎとトマトが平年の1割高となっているほか、レタスとじゃがいもも2割以上高くなっています。この傾向は7月中旬から続いています。大幅に値引きしてセールを行う大手スーパーもありました。


Q よく日が照って暑いと、野菜が育つ気がするけど……。
A いいえ、むしろ生育が停滞し、出荷量が減ってしまうものがあります。影響の度合いは野菜によって異なります。キャベツやレタスはもともと冷涼な高原で栽培されていて暑さに弱いうえ、キャベツの場合、長雨も影響して出荷が遅れたり減ったりしました。レタスは葉の巻き方が悪くなり、トマト、なすなど果菜類とよばれるものは高温だと花が落ちてしまうことがあります。夜間の気温の高さも、樹勢を弱めるようです。


Q 国はいつも野菜の値段を調べているの。
A 農水省は天候不順などで卸売価格が高騰した場合、緊急調査に乗り出します。今年は4月に、日照不足と低温の影響からキャベツやレタスの卸売価格が上がり、同月中旬から緊急調査を始めました。緊急調査はこの5年間で、06年と09年にも行われています。


Q 最近レタスのサラダ、食べてないなあ。いつになったら食べられるんだろう。
A 全国各地でお盆前から再び猛暑になっていますが、15〜17日は中央卸売市場がお休みでしたので、18日に市場が始まってみないとよくわかりません。農水省は「推移を注意深く見守る必要がある」としています。ただし、8月初旬の市場関係者の予測では「お盆明け以降、ほうれん草、じゃがいもなど一部の野菜を除いては出荷量は回復し価格は落ち着いてくる見込み」でした。


Q そんなに心配しなくていいんだね。
A 緊急調査をした昨夏と今年4月は農水省全国農業協同組合連合会に出荷の前倒し要請をしましたが、今回はそこまでではないとみているようです。きゅうりなど平年より安くなっている野菜もありますよ。(生活報道部)


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 ◇野菜小売価格◇(8月9〜13日)
品目    平年比
キャベツ  116%
ねぎ    112%
レタス   123%
きゅうり  90%
なす    101%
トマト   114%
じゃがいも 123%


 *農水省調べ