農業の課題(2) 増え続ける耕作放棄地(朝日新聞)


朝日新聞 2010年6月17日
http://www.asahi.com/business/topics/keizainavi/TKY201006160243.html
Q 農村では「耕作放棄地」が問題になっていると聞いたけれど、そもそもどんな土地なの。
A 「過去1年以上作物を栽培せず、数年の間に再び耕作するはっきりした考えのない土地」を指す。農地として活用されることが放棄されてしまった土地のことだね。


Q どれぐらいある?
A 1975年の耕作放棄地は13万1千ヘクタールだったが、2005年には38万6千ヘクタールと、ほぼ3倍に拡大した。耕地面積はピークだった61年の609万ヘクタールから、09年には461万ヘクタールに減った。耕作放棄や道路・工場用地などへの転用が減少した主な理由だ。


Q なぜ、放棄地は増え続けているのだろう。
A 農林水産省が全国1780市町村を対象に実施したアンケートによると、「高齢化、労働力不足」が約2割で最も多かった。「農作物価格の低迷」(約1割)、「地域内に引き受け手がいない」(約1割)も目立つ。


Q なぜ、耕作放棄地が増えるといけないの。
A 一度耕作をやめて数年立つと、農地は原形を失うほどに荒れてしまうんだ。病害虫、雑草が発生し、ゴミの不法投棄を誘発するなど、周囲に悪影響を与える場合もあるらしい。また、正常な土地に再生させるには、「土づくり」に2〜3年必要とするケースが多いという。農地を失わないため、未然に防ぐ努力が必要なんだ。

 
Q どんな対策が効果として期待できる?
A 市町村アンケートで最も多かった答えは「規模拡大を目指す農家に農地を集積させる」。力のある地域の担い手に集約していくことが効果的だと考えられているんだ。