野菜農家に春の寒風 不ぞろいキャベツ、枯れる茶畑… (朝日新聞)

asahi.com朝日新聞社)社会 2010年4月24日
http://www.asahi.com/national/update/0424/TKY201004240227.html
「寒い春」が農作物の産地を直撃し、野菜の高値が続く。春が旬のはずの露地作物は特に深刻だ。「売り時なのに売る物がない」と、生産者からため息が漏れる。


首都圏向けの高品質の春キャベツで知られる神奈川県の三浦半島。23日午前、ジャンパーにレインコート姿の男性(58)がキャベツ畑で、1玉1玉触りながら手で収穫していた。雨交じりで、気温は8度。


畑ごとに一斉に収穫できる時期なのに、今年は日照不足で1玉ごとに大きさや硬さがまちまち。軟らかさが売りの「三浦の春キャベツ」として十分に成長したものを選ぶのに手間がかかる。春キャベツの収穫を終え、夏に向けスイカを植える時期なのに「まだ6割ぐらい残っている」という。


三浦市内の春キャベツ農家に技術指導をする井上秀樹さん(44)は「陽気が来た後、またすぐ寒くなると、キャベツにとって逆にこたえて成長が遅れる」と説明する。


三浦市農業協同組合によると、20日までの出荷は昨年に比べて4割ほど少なく、品薄で価格は2〜3割高め。高梨正夫・共販部長は「出荷が5月にずれ込めば、今度は市場にあふれて値下がりする」と話す。

   ◇

新茶シーズンの到来を告げる新茶初取引が19日、静岡市であった。「ご祝儀相場」でついた値は1キロあたり10万円。しかし、県内産の取扱量は昨年の約8分の1だった。


3月末の朝、茶栽培農家の堀延弘さん(53)は、静岡県島田市の自分の畑を見てぼうぜんとした。もえぎ色だった茶畑が一面、赤茶色になっていた。前夜の冷え込みで、2センチほどに成長していた新芽が凍り、枯れていた。


2、3月が温暖で、例年より芽生えが早かったのも災いした。被害は堀さんの畑1.7ヘクタールの約8割に及んだ。


4月に入っても低温が続き、新しい芽が育たない。取引がピークを迎える八十八夜は、今年は5月2日。堀さんは「売りたくても売るお茶がない。新しい芽が出てくるのを待つしかない」と嘆く。


静岡県は、地域によっては収量が例年の6割に落ち込むところもあるとみている。

   ◇

農林水産省は低温対策の技術指導の通知を出し、被害が出た農家への低利子の融資策を打ち出した。東京都中央卸売市場の22日の野菜の取引価格は、キャベツが例年の192%など、主要全品目で平年に比べ1〜9割高かった。農水省は「高値は当面続く」とみている。(川上裕央、山田知英)

                                                                                                                      • -

【社会】野菜農家に春の寒風…不ぞろいキャベツ、枯れる茶畑…
http://p2.chbox.jp/read.php?host=tsushima.2ch.net&bbs=newsplus&key=1272108442&ls=all