道内農業法人、3年で急増197社設立 − 北海道(毎日新聞)


毎日新聞 2010年 2010年7月29日
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20100729ddlk01020143000c.html
◇全国の1割、目立つ建設業参入
道内で農業を目的に設立された法人が09年度までの3年間で197社に上ったことが、民間信用調査会社の帝国データバンク(東京)の調査で分かった。全国1753社の約1割強と、都道府県別では最多。近年の公共工事削減で、新事業分野への進出の必要に迫られた建設業の参入が目立っている。


それによると、農業参入目的の道内の新設法人は▽07年度41社▽08年度66社▽09年度90社−−と、毎年5割増近いペースで急増。同社の調査は全国ベースで都道府県単位の詳しい業種別内訳を公表していないが、道内で個人営業の農家が新たに生産法人を設立する以外では建設業や運輸業が多く、「人材や重機の転用が図りやすく、雇用対策の一環として参入ケースが目立っている」という。


株式会社の農地取得には制限があり、企業が農業に参入する場合、農業生産法人を設立するケースが多い。09年12月に施行された改正農地法では、農業生産法人への企業の出資比率の規制が「10%以下」から「50%未満」に緩和され、企業の参入を後押ししている。


一方、帝国データバンクが別に全国約1万社に実施した企業の意識調査によると、自社グループが農業ビジネスにすでに参入もしくは参入予定の企業は1039社だった。企業の農業参入による影響を複数回答で聞いたところ、「農業資材やインフラなど周辺ビジネスが拡大する」66%▽「農業ビジネスの効率化が進む」65%▽「雇用の受け皿が増える」同▽「農業ビジネスの収益構造が改善する」47%−−などが多かった。


また、全国で過去3年に新法人を設立した企業に「今後の課題」(239社の複数回答)を聞いたところ、「販路の開拓」53%▽「収益性の向上」52%▽「資金の確保」47%−−など採算面を意識した回答が多かった。同社は「企業の多くが農業に将来性を感じて参入するものの、採算性の壁にぶつかっている」と分析している。【鈴木勝一】


関連:
進む企業の農業参入 県内09年度、3年で倍増 − 岩手(岩手日報)2010年8月16日
http://d.hatena.ne.jp/mikamurata/20100816/1281930729